THE TWELVE SMALL DOORS / KAPI & SHII'S STORY
何に困っているのか、うまく言えなくても大丈夫。
カピちゃんとしーちゃんが町の十二の出会いを通して、相談への小さな扉を見つける物語です。

THE MORNING SHOPPING STREET
第一部|朝の商店街
朝の商店街で、カピちゃんは重そうな買い物袋を持つ女性と出会いました。「前は一人でできたのに」と笑う女性に、カピちゃんは急いで答えを出さず、ゆっくり話を聞きます。できなくなったことを数える前に、今の暮らしで何が大切なのかを知る。それが、最初の扉でした。

THE CLOSED SHUTTERS
第二部|閉じた雨戸
毎朝開いていた家の雨戸が、今日は閉じたままでした。カピちゃんが玄関から少し離れて声をかけると、中から小さな返事が聞こえます。ほんの少しの変化に気づくことが、誰かの安心につながることもあります。

THE HAT ON THE BENCH
第三部|ベンチの忘れもの
公園のベンチに、古い帽子が一つ置かれていました。持ち主を探すうちに、カピちゃんは最近外出が減った人のことを知ります。忘れものの向こうには、まだ言葉になっていない寂しさが隠れていました。

THE HIGH SHELF
第四部|届かない買い物かご
スーパーの高い棚を見上げる女性に、カピちゃんが声をかけました。買い物、掃除、食事の支度。小さな不便が重なると、いつもの暮らしは少しずつ難しくなります。一つの困りごとだけでなく、毎日の流れを一緒に見る扉が開きました。

HALFWAY UP THE HILL
第五部|坂道の途中で
坂道の途中で、男性が低い石垣に腰を下ろしていました。「まだ大丈夫」と言いながらも、息は少し苦しそうです。カピちゃんも隣に座りました。これからも安全に出かけるための方法を、同じ目線で一緒に考えます。

THE RAINY-DAY CALL
第六部|雨の日の電話
雨の日、相談室に一本の電話が入りました。「何を相談すればよいのか、分からないんです」電話の向こうの声は、少し震えていました。「分からないままで大丈夫です。今のことから聞かせてください」カピちゃんは静かに答えました。

THE OLD PHOTOGRAPH
第七部|一枚の古い写真
訪ねた家で、家族のアルバムを見せてもらいました。そこには、旅行や料理を楽しんでいた頃の姿があります。カピちゃんは、できなくなったことだけでなく、もう一度やってみたいことを尋ねました。

A LETTER FROM FAMILY
第八部|家族からの手紙
離れて暮らす家族から、一通の手紙が届きました。「心配だけれど、何をすればよいのでしょう」その思いを、カピちゃんとしーちゃんが受け取ります。本人の希望と家族の気持ちを整理し、無理なく支えられる形を探しました。

AROUND ONE TABLE
第九部|みんなで囲む食卓
本人、家族、地域で支える人たちが、一つのテーブルを囲みました。難しい言葉を並べるのではなく、これから続けたい暮らしについて話します。少しずつ、みんなの考えが同じ方向を向いていきました。

THE OPEN WINDOW
第十部|開いた窓
必要な支援が届き、閉じていた窓が久しぶりに開きました。風が入り、白いカーテンが揺れます。「また庭まで歩いてみたい」と、その人は話しました。小さな希望は、これからの暮らしを考える新しい扉になります。

THE BLUE DOOR
第十一部|相談室の青い扉
しばらくして、その人は自分から相談室を訪ねました。青い扉の前で一度立ち止まり、それからゆっくりノックします。扉の向こうでは、カピちゃんとしーちゃんが、いつもの笑顔で待っていました。

A BRIGHTER MORNING
第十二部|「話してよかった」の朝
新しい朝、町にはいつもの暮らしが戻っています。すべての心配が消えたわけではありません。それでも、一人で抱えなくてよいと分かっただけで、歩く道は少し明るくなりました。「話してよかった」その言葉を胸に、カピちゃんとしーちゃんは次の扉へ向かいます。