想像から、創造へ

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横浜市保土ヶ谷区・西区・中区・南区・京浜(東京・川崎・横浜)エリアのケアマネージメント(介護相談の専門事業所)
横浜市保土ケ谷区天王町の「きてケアプランセンター」

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医療・介護従事者の心が軽くなるエピソード集 Episode 1

心が軽くなるエピソード集

医療・介護の現場で生まれた、温かい絆の物語

忙しい日々の業務の中で、ふと肩の力が抜ける瞬間があります。
予想外のハプニング、思わず笑ってしまう勘違い、そしてハッとする気付き。
明日への活力になるエピソードをご紹介します。

EPISODE 01

夜勤2時、最大の敵は「みかん」でした

深夜2時。病棟は静まり返り、ナースコールも落ち着いていました。「今のうちに」と転倒リスクのある高齢患者さんのベッドサイドへ巡回に行くと、スリッパに足が入らず困っている様子でした。

しゃがんで確認した私は、思わず動きが止まりました。スリッパの中に、みかんが入っていたのです。しかも両足分。

「夜中にお腹すくやろ。
明日食べよう思てな」

看護師は、みかんを両手に持ったまま数秒間フリーズし、こらえきれずに笑ってしまいました。夜勤の静けさの中で起きた、一番平和で、どうしようもない出来事でした。

#夜勤の衝撃#みかん
EPISODE 02

ポータブルトイレ事件

訪問介護の終盤、ケアマネジャーとして生活状況の確認を行っていました。「夜間のトイレは使われていますか?」という問いに、ご本人もご家族も「最近は使っていない」と即答。念のため清潔状態を確認しようとフタを開けた瞬間、世界が止まりました。

中身は明らかに「最近、日常的に、しっかりと」使用されている状態でした。「なぜ?いつ?誰が?」と疑問が駆け巡る中、ご本人がぽつりと話しました。

「夜は暗いから、
使ったかどうか、よう分からんのや」

その場にいた全員が息をのみ、ご家族は天井を見上げ、ケアマネジャーは笑いをこらえるのに必死でした。

#訪問介護#使っていないはずが
EPISODE 03

レントゲンで「笑うの?」事件

手術翌日の朝、88歳の男性患者さんのポータブルレントゲン撮影を行うことになりました。張り詰めた空気の中、技師が「はい、今から写真を撮りますよー」と声をかけたその瞬間です。

患者さんは真剣な表情でこう聞き返しました。

「……笑うのですか?」

「え?」と全員の理解が追いつかなかった直後、病室の空気が一気に和らぎました。「写真=笑顔」という人生経験に基づいた、あまりにも正しく、可愛らしい反応でした。

#医療現場#ほっこり勘違い
EPISODE 04

夜勤中、家族から来た電話が予想外すぎた話

深夜1時20分。夜勤帯の電話には「急変か?転倒か?」と覚悟が必要です。緊張して受話器を取ると、ご家族の深刻そうな声が聞こえてきました。「父のことでお聞きしたいのですが…」

「父、歯、入れて寝ていますか?」

緊急性はありませんが、ご家族にとっては今すぐ確認したい重要事項です。確認して「外してあります」と伝えると、電話の向こうで安堵の空気が流れました。電話を切った後、ナースステーションでは「人は夜中になると急にいろいろ思い出す」という真理を噛み締め、静かな笑いが起こりました。

#夜勤の電話#家族の愛
EPISODE 05

認知症の方に完全論破されたケアマネ編

ある日の訪問時、認知症の診断を受けている利用者さんとの会話です。短期記憶の低下があり、「デイサービスの日は覚えられない」「今日が何曜日か分からない」という状態でした。

ケアマネジャーとして「曜日が分からないと、予定が分からなくなってしまいますよね」と丁寧に伝えた、その時です。ご本人はこちらをじっと見て、落ち着いた口調で言われました。

「でもな。
分からんから、あんたが来とるんやろ」

言葉を失いました。完全に論理が完成していたからです。「分からんことを、分からんままにしとくと危ない.せやから、聞いとるんやろ?」――一切の破綻がありませんでした。

「認知症だから説明が通じない」という思い込みは崩れ去り、私は姿勢を正して「おっしゃる通りです」と答えました。支援する側・される側という構図を超え、一本取られた清々しい瞬間でした。

#ケアマネジャー#一本取られた
EPISODE 06

新人ケアマネ向け「価値観がひっくり返る話」

ケアマネジャーになりたての頃、「支援する側が状況を把握し、判断し、導くものだ」そう思って現場に出る方は少なくありません。それ自体は間違いではありませんが、実際の現場ではその前提が静かに覆る場面が幾度となく訪れます。

1.「分かっていない」のに、話が通じるときがあります
認知症があり、日時や予定が答えられない方でも、生活の筋や考え方は、驚くほど整理されていることがあります。
質問に答えられない=理解していない、ではありません。

2.説明しているつもりが、試されていることがあります
丁寧な説明が空回りし、その瞬間、「理解させる側」ではなく「理解できているかを見られる側」だったことに気づきます。

3.正解より、納得が優先される場面があります
制度上は正しくても、ご本人の生活感覚から見ればしっくりこないこと。その違和感を無視すると、支援は形式的になります。

4.「できないこと」より「分かっていること」に驚かされます
できない動作ばかり見ていると、ふとした一言で「ここまで分かっているのか」と評価軸が入れ替わります。

5.ケアマネは、答えを持たなくてよい職種です
答えを引き出し、整理し、つなぐ役割です。答えは、最初からご本人の中にあることも少なくありません。

6.一番学ばされるのは、教えようとした瞬間です
指導的に話そうとしたときほど、相手の言葉にハッとさせられます。

7.価値観がひっくり返ると、仕事が楽になります
正しさよりも、生活の筋を尊重することが、結果的に最も安全で、持続可能な支援になります。

#新人ケアマネ#価値観の転換
EPISODE 07

新人が一晩で伝説になった話

夜勤数回目の真面目な新人職員。深夜2時前、個室の患者さんからナースコールがありました。数分後、新人はやや青ざめて戻ってきました。

「『ここは病院じゃない、帰る』と言われたので、
“ここは病院です”って、きちんと説明しました」

先輩が「どう説明したの?」と聞くと、新人は誇らしげに答えました。

「ナースコールの説明と、病院の規則と、
ここにいる理由を、全部説明しました」

説明は完璧でした。理論上は、何一つ間違っていません。しかし結果は……「そんな話は聞いていない」「騙されている」と患者さんはさらに混乱し、病棟の空気は一気に張り詰めました。

その後、先輩が対応して事なきを得ましたが、その夜の出来事はあっという間に広まりました。「全部説明した新人」「理論で殴った伝説の夜勤」。正しさと勇気は、必ずしも同時に育たないことを痛感した、現場の洗礼を受けた一夜でした。

#新人伝説#正論の失敗
EPISODE 08

「今すぐ来てください」は、今すぐではありませんでした

日中帯の訪問中、ご家族から「すみません、ちょっと大変なことになっていて……今すぐ来ていただけますか?」と深刻な声で連絡が入りました。

「転倒か?急変か?介護者が限界か?」と脳内は一気に緊急モードに入り、「何がありましたか?」と問うと、少し間があって返答がありました。

「父がですね……
テレビのリモコンが見つからなくて……」

……え? 一瞬、言葉の処理が止まりました。「朝からずっと探してイライラして怒っていて、これはもう緊急だと思って……」。

確かに、ご本人の感情としては“緊急”でした。命に別状はなくとも、ご家族にとっては平穏な生活の危機だったのです。医療的な緊急性と、感情的な緊急性の温度差を痛感した出来事でした。

#ケアマネジャー#緊急コール#温度差
EPISODE 09

「できません」と言わなかった結果

その方は身体機能の低下が進行しており、立位保持は困難、移乗や排泄には全介助が必要な状態でした。ケアマネジャーとしては安全面を考慮し、施設入所も含めたサービス見直しを検討している時期でした。

ある日の訪問で「夜間のトイレはどうされていますか?」と確認すると、ご本人は即答されました。「行ってるよ」。

一人で行ける身体状況ではありません。「お一人で、ですか?」と耳を疑いながら聞き返すと、ご本人は少しだけ笑って、こう言われました。

「できないって言うたら、
連れて行かれるやろ」

言葉が止まりました。ご本人は、施設入所の話が出ていることを察していたのです。「できない」「無理だ」という言葉が、住み慣れた家での暮らしを終わらせる合図になることを知っていたからこそ、できていなくても「行っている」と答えたのです。

その一言の重さに、専門職としての「安全」と、ご本人の「生活」の狭間で深く考えさせられた出来事でした。

#ケアマネジャー#切実な思い#在宅の覚悟
EPISODE 10

DNRの面白い話 ―「それは今の話ですか?」―

高齢で慢性疾患を抱えつつも、判断力はしっかり保たれている患者さん。入院時、主治医からDNR(蘇生措置を行わない意思)についての説明がありました。

医師が「もし心臓が止まった場合、心臓マッサージや電気ショックなどは行わない、ということでよろしいですね」と確認の言葉をかけた時です。ご本人は天井を見つめ、医師の方を向いて穏やかに言われました。

「先生。それはな。
今の話ですか。それとも、ずっと先の話ですか」

一瞬、空気が止まりました。しかしご本人にとっては、今日のご飯や今日の気分と地続きの、切実な「生」の話です。

「今日はまだ、ええです」

その言葉は、とても静かで、とても強い意思表示でした。「死ぬ時の話」よりも「今を生きる話」を大切にする、ハッとさせられる一言でした。

#DNR#患者さんの名言#今を生きる
EPISODE 11

夜勤あるある集

1.静かな夜ほど、何も起きないとは限りません
「今から何か起きそうだ」という根拠のない予感は、時々当たります。

2.「さっきまで寝てた」は、だいたい信用できません
巡回すると「ずっと起きてた」、少し後に行くと「さっきまで寝てた」。夜勤帯、時間の概念はゆがみます。

3.夜中の質問は、哲学的になります
「今日は何曜日ですか」「私は今、寝ているんですか」。深夜になるほど、問いは深くなります。

4.ご家族の電話は、内容が予測できません
容体かと思いきや、入れ歯、眼鏡、リモコンの位置など、生活の細部が急に気になる時間帯です。

5.笑ってはいけない場面ほど、面白いことが起きます
スリッパの中のみかん、筋の通った勘違い。笑ってはいけないと分かっているほど、こらえるのが大変です。

#あるある#夜勤のリアル
EPISODE 12

新人職員向け「共感型 夜勤あるある」

1.夜勤前、なぜか昼間に眠れません
「今日は夜勤だから寝ておこう」と思うほど、目が冴えます。

2.出勤直後は、少し緊張で肩がこります
病棟に入った瞬間、「今日は何事も起きませんように」と心の中で祈ります。

3.深夜0時を過ぎると、時間の流れが変わります
30分がとても長く感じたり、気づいたら1時間経っていたりします。

4.患者さんの一言に、思考が止まることがあります
予想していない返答に出会うと、一瞬、どう返せばよいか分からなくなります。みんな通っています。

5.「これ、報告していいのかな」と迷います
緊急ではないけれど、少し気になること。迷ったら、聞いてよいのです。

6.夜中のナースコールは、内容が想像と違います
「布団がずれた」「今、何時か知りたい」。それも大切な訴えです。

7.笑ってはいけない場面ほど、心が試されます
思わず笑ってしまいそうな出来事は、夜勤中によく起こります。

8.先輩が何気なくフォローしてくれます
そのありがたさは、後からじわじわ分かります。

9.夜勤明け、「何とか終わった」と思います
完璧でなくても、大きな事故なく朝を迎えられたことが、何よりです。

10.夜勤は、少しずつ慣れていきます
夜勤は、回数を重ねるごとに、確実に見える景色が変わります。

#新人さんへ#夜勤の心得
EPISODE 13

深夜のカップ麺の法則

夜勤には抗えない法則があります。「カップ麺にお湯を注ぐと、ナースコールが鳴る」という法則です。そして、戻ってきた時には麺が汁を吸って膨張し、「うどん」のようになっています。

それでも夜勤者は、その伸びた麺をすすります。それはただの食事ではなく、忙しい夜を乗り越えるための燃料であり、ある種の「戦友」の味がするからです。

#夜勤の食事#3分間待てない#伸びても美味しい
EPISODE 14

「家に帰る!」と怒る理由

「家に帰らせろ!」と玄関で怒鳴る男性利用者さん。認知症の周辺症状かと思われましたが、よく話を聞くと「妻が一人で電球を替えられないんだ」と涙ぐんでいました。

ご自宅に電話を繋ぎ、奥様の無事を確認すると、彼はスッと落ち着き「ありがとう」と席に戻りました。それは暴力ではなく、長年連れ添ったパートナーへの深い愛情の裏返しだったのです。

#帰宅願望#夫婦の絆#傾聴の力
EPISODE 15

選択的難聴の達人

90代の利用者さんは耳が遠く、服薬指導やリハビリの声掛けには「あ? 聞こえん」と返します。しかし、職員同士が小声で「今日のおやつ、プリンだって」と話すと、即座に反応します。

「プリン? スプーンもっとるで」

自分にとって重要な情報だけを正確にキャッチするその能力は、長年の人生経験で培われた、ある種の生存戦略なのかもしれません。

#地獄耳#おやつは別腹#都合のいい耳
EPISODE 16

お化粧の魔法

寝たきりで表情が乏しくなっていた女性利用者さんに、職員が提案して口紅を少し差しました。手鏡を渡すと、彼女の瞳に光が戻り、はにかむように微笑みました。

「あら、まだ捨てたもんじゃないわね」

その瞬間、病室の空気がパッと明るくなりました。いくつになっても、どんな状態でも、「自分らしくありたい」という気持ちを支えるケアの大切さを教わりました。

#メイクセラピー#尊厳#笑顔の力
EPISODE 17

退院時の最高の挨拶

退院していく患者さんを見送る時、私たちは笑顔でこう言います。「お大事に」。しかし、心の中では別の言葉を贈っています。

「二度とここで会いませんように」

冷たいようですが、病院においては「再会しないこと」こそが、相手の健康と幸福を願う最大の愛情表現なのです。「さようなら」が一番温かい場所、それが病院です。

#退院おめでとう#独特の挨拶#元気でいてね
EPISODE 18

腕の血管、貸したるわ

点滴のルート確保に失敗し、落ち込んでいた新人看護師。何度も謝る彼女に、患者さんは腕を差し出して笑いました。

「わしの血管は太いからな。
練習台にしたらええ。ええ看護師になりや」

その言葉の温かさに、新人は涙をこらえるのに必死でした。針の痛みよりも、相手の成長を願う心の広さ。患者さんに育てられていることを痛感する瞬間です。

#新人看護師#患者さんの優しさ#成長の糧
EPISODE 19

100歳のプロポーズ

100歳の男性利用者さんが、20代の職員の手を握り真剣な顔で言いました。「わしの味噌汁を作ってくれんか」。まるでプロポーズです。

職員が「私、料理が下手なんです」と返すと、彼はニヤリと笑って返しました。

「ほな、わしが教えちゃる。包丁持ってきな」

一枚上手な切り返しに、周囲は爆笑。ユーモアと愛嬌は、長生きの秘訣であり、周りを幸せにする最強の武器です。

#100歳の知恵#ユーモア#一本取られた
EPISODE 20

それでも現場を続ける理由

医療・介護の現場は、綺麗事だけではありません。汚れるし、腰は痛いし、理不尽なこともあります。辞めたいと思う夜もあります。

それでも、たった一言の「ありがとう」や、ご本人が見せる「その人らしい笑顔」に出会った瞬間、全ての疲れが吹き飛びます。

「この瞬間のために、ここにいる」

私たちは、そんな小さな奇跡に支えられて、今日も現場に立ち続けています。

#やりがい#プロフェッショナル#明日も頑張ろう