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介護離職を防ぐための仕事と介護の両立支援

介護離職を防ぐための仕事と介護の両立支援

介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※3・短時間勤務・介護休業給付から遠距離介護までを総合的に解説

制度内容確認日:2026年8月1日

親や配偶者などに介護が必要になると、家族は「自分が仕事を辞めなければ支えられないのではないか」と考えやすくなります。入院、退院、認知症の進行、転倒、骨折、がん治療、医療処置の導入などが重なると、短期間に多くの判断を迫られ、勤務を続ける見通しを持てなくなることがあります。

しかし、退職すると、収入、社会保険、厚生年金、職業上の経験、同僚とのつながりを失う可能性があります。介護が終わった後に、同じ条件で再就職できるとも限りません。介護費用を負担する時期に世帯収入が減るため、本人と家族の生活がともに苦しくなることもあります。

仕事と介護の両立では、家族が介護をすべて担うのではなく、介護保険サービス、医療、地域支援、家族内の分担、勤務先の両立支援制度を組み合わせます。介護休業は、家族が長期間つききりで介護するためだけの制度ではありません。要介護認定の申請、ケアマネジャーへの相談、介護サービスの導入、住環境の整備、家族の役割分担など、復職後も介護を継続できる体制を作る期間として活用します。

2025年4月1日からは、改正育児・介護休業法(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1により、企業に対して、介護離職防止のための雇用環境整備、介護に直面した労働者への個別周知と意向確認、40歳前後の労働者への早期情報提供などが義務づけられています。厚生労働省「介護関係の法改正のポイント」

本記事では、介護休業、介護休暇、短時間勤務等の措置、所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※4時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※5深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※6の制限、介護休業給付、ケアマネジャーへ相談する時期、遠距離介護、会社へ伝える情報、家族だけで抱え込まない支援体制について詳しく解説します。

01

1.介護離職は、介護そのものだけが原因ではありません

介護離職は、介護動作の負担だけによって生じるものではありません。多くの場合、次のような問題が重なります。

  • 介護保険制度を知らない
  • 誰へ相談すればよいか分からない
  • 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※4を申請していない
  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※3へ家族の就労状況を伝えていない
  • 介護サービスの導入が遅れている
  • 家族内で介護が一人に集中している
  • 夜間の見守りにより睡眠不足が続いている
  • 通院付き添いのたびに年次有給休暇を消費している
  • 急な呼び出しが多い
  • 認知症による電話や訪問対応が勤務中にも発生する
  • 遠距離移動に時間と費用がかかる
  • 会社へ介護状況を伝えられない
  • 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2の違いを知らない
  • 介護休業中の収入がなくなると思っている
  • 本人が介護サービスを拒否している
  • 家族が「自分で介護するべきだ」と考えている
  • 退院日だけが先に決まり、在宅支援が整っていない
  • 将来の見通しを持てない

介護離職を防ぐには、労働制度だけでなく、介護サービス、医療、住まい、金銭管理、権利擁護(虐待防止、成年後見制度の利用支援、消費者被害防止などにより本人の権利を守る支援です)※5、家族関係まで含めた調整が必要です。

02

2.最初に知っておきたい両立支援制度の全体像

育児・介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1に基づく主な制度は次のとおりです。

| 制度 | 主な目的 | 利用期間・日数 | | -------- | ------------------------- | -------------------- | | 介護休業 | 介護体制を整えるためにまとまって休む | 対象家族1人につき通算93日、3回まで | | 介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※3 | 通院同行や手続き等のため短時間・短期間休む | 1人なら年5日、2人以上なら年10日 | | 短時間勤務等 | 勤務時間や勤務方法を調整する | 3年以上の期間に2回以上利用可能な制度 | | 所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※4の制限 | 会社所定の勤務時間を超える残業を免除する | 1回1か月以上1年以内、回数制限なし | | 時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※5の制限 | 法定時間外労働を月24時間・年150時間以内にする | 1回1か月以上1年以内、回数制限なし | | 深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※6の制限 | 午後10時から午前5時の勤務を免除する | 1回1か月以上6か月以内、回数制限なし | | 介護休業給付 | 介護休業中の所得を補う | 原則として休業開始時賃金日額の67%相当 | | テレワーク等 | 介護と勤務場所を調整する | 事業主の導入は努力義務 |

このほか、会社独自の制度として、次のような支援が設けられている場合があります。

  • 介護休業期間の上乗せ
  • 有給の介護休暇
  • 失効した年次有給休暇の介護目的利用
  • 保存休暇
  • 在宅勤務
  • フレックスタイム
  • 時差出勤
  • 週休3日制
  • 勤務地限定制度
  • 転勤への配慮
  • 介護費用の補助
  • 介護相談窓口
  • 外部相談サービス
  • 介護休業給付への会社独自の上乗せ
  • 再雇用制度

法律上の最低基準だけで判断せず、就業規則、育児・介護休業規程、社内ポータル、人事担当者、労働組合等から勤務先独自の制度も調べます。

03

3.対象となる「要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※2」とは

育児・介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※3(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1における要介護状態は、負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態です。

ここでいう要介護状態は、介護保険の要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※4と完全に同じではありません。

介護保険で要支援・要介護認定を受けていなくても、法律上の判断基準に照らして、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態に該当すれば、介護休業等の対象になる可能性があります。

例えば、次の状態が考えられます。

  • 入院中で身の回りの支援や退院調整を必要とする
  • がん治療中で日常生活に継続的な支援を要する
  • 認知症により服薬、金銭、外出、火気の管理が難しい
  • 骨折後に移動、排泄、入浴等の介助を必要とする
  • 精神障害により生活全般の見守りが必要
  • 障害児・者が日常生活上の継続的な介護を必要とする
  • 医療的ケア児・者に吸引、経管栄養等の支援を必要とする

会社から家族の状態を示す書類の提出を求められる場合があります。ただし、要介護認定結果や医師の診断書だけが唯一の証明方法とは限りません。勤務先の規程と必要書類を人事・労務担当者へ尋ねます。

04

4.対象となる家族

介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2等の対象となる家族は次のとおりです。

  • 配偶者
  • 事実上婚姻関係と同様の事情にある人
  • 父母
  • 配偶者の父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

同居や扶養を要件としない対象家族も含まれます。離れて暮らす親や祖父母の介護でも利用できる可能性があります。

介護関係の「子」は、養子を含む法律上の親子関係がある子です。障害児・者、医療的ケア児・者も含まれます。ただし、乳幼児の通常の成育過程で必要となる一般的な世話は、介護休業等の「介護」には含まれません。

対象家族の範囲に含まれない親族や知人の世話では、法定の介護休業等を利用できない場合があります。その場合は、年次有給休暇、会社独自の休暇、勤務時間調整等を相談します。

05

5.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2

5-1.介護休業とは

介護休業は、要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1にある対象家族を介護する労働者が、一定期間仕事を休む制度です。

対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限として分割できます。

例えば、93日を次のように分けられます。

  • 30日、30日、33日
  • 14日、30日、49日
  • 31日、31日、31日
  • 93日を1回で取得

取得期間は本人の事情に応じて決めます。必ず3回に分ける必要はありません。

厚生労働省は、介護休業を、家族が介護をすべて担う期間ではなく、地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※4ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※5への相談、介護サービスの手配、家族の分担、民間サービスの検討など、仕事と介護を両立できる体制を整える期間として案内しています。厚生労働省「介護休業」

5-2.介護休業中に整えること

第1段階:状況を把握する

  • 診断名
  • 治療方針
  • 入院期間
  • 退院予定
  • 日常生活動作
  • 認知機能
  • 医療処置
  • 本人の希望
  • 同居家族
  • 住環境
  • 経済状況
  • 緊急時の連絡体制

第2段階:公的制度へつなぐ

  • 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※6申請
  • 地域包括支援センターへの相談
  • ケアマネジャーの選定
  • 障害福祉制度の申請
  • 医療費助成の申請
  • 成年後見制度等の検討
  • 生活困窮に関する相談

第3段階:在宅生活を整える

  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 通所介護
  • 短期入所
  • 訪問診療
  • 薬局
  • 福祉用具
  • 住宅改修
  • 配食
  • 見守り
  • 緊急通報
  • 介護タクシー
  • 民間サービス

第4段階:復職後の運用を試す

  • 朝の介護を誰が担うか
  • 日中の支援をどうするか
  • 通院日はどうするか
  • 夜間の緊急時に誰が対応するか
  • デイサービスを拒否した場合の対応
  • ヘルパーが来られない場合の代替
  • ショートステイの予約
  • 家族への連絡方法
  • 会社の勤務制度との組み合わせ

介護休業の終盤には、実際の勤務時間を想定して介護サービスを試し、支障がある部分を調整します。

5-3.対象となる労働者

原則として、対象家族を介護する男女労働者が対象です。正社員だけでなく、契約社員、パートタイマー、アルバイト等も要件を満たせば取得できます。

期間を定めて雇用される労働者は、申出時点で、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が終了し、更新されないことが明らかでないことが必要です。

労使協定がある場合、次の労働者を対象外とすることがあります。

  • 継続雇用期間が1年未満
  • 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らか
  • 1週間の所定労働日数が2日以下

「会社が忙しい」「代わりの社員がいない」という理由だけで、法定要件を満たす介護休業を一律に認めないことはできません。

5-4.申出期限

希望する日から介護休業を始めるためには、原則として開始予定日の2週間前までに、書面等で会社へ申し出ます。

社内様式がある場合は、その様式を使用します。

申出内容の例は次のとおりです。

  • 申出年月日
  • 労働者氏名
  • 対象家族の氏名
  • 労働者との続柄
  • 対象家族が要介護状態にある事実
  • 休業開始予定日
  • 休業終了予定日
  • 過去の介護休業取得日数

緊急入院や急な退院などで2週間前の申出が難しい場合は、まず上司と人事担当者へ速やかに相談します。会社の規程が法律より労働者に有利であれば、短い申出期間で利用できることもあります。

5-5.終了予定日の変更

休業終了予定日の2週間前までに申し出ることで、1回の介護休業につき1回、終了予定日を繰り下げられます。ただし、対象家族1人につき通算93日の範囲内です。

開始予定日の繰り上げや繰り下げについては、法律上、労働者の一方的な申出で当然に変更できる仕組みではありません。会社と協議します。

5-6.休業期間中の賃金

介護休業中の賃金を会社が支払うかどうかは、就業規則や労働契約によります。法律上、会社に賃金支払いを一律に義務づける制度ではありません。

賃金が支払われない、または一定以上減額される場合でも、雇用保険の要件を満たせば介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※3を受けられる可能性があります。

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6.介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※3

6-1.介護休暇とは

介護休暇は、要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1にある対象家族の介護や世話のため、年次有給休暇とは別に取得できる休暇です。

対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで取得できます。

「1年間」は、会社が特に定めていない場合、原則として4月1日から翌年3月31日です。

6-2.取得単位

介護休暇は、1日単位または時間単位で取得できます。

例えば、次のように使えます。

  • 1時間だけケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※5との面談に参加する
  • 午前中に区役所で要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※6申請を行う
  • 病院の診察へ付き添う
  • 訪問調査へ同席する
  • 退院前カンファレンスへ出席する
  • 介護サービス事業所と契約する
  • 福祉用具搬入へ立ち会う
  • 施設見学へ行く
  • 急な体調不良に対応する
  • デイサービスの初回利用に付き添う

厚生労働省も、通院の付き添い、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせ等に利用できると案内しています。厚生労働省「介護休暇」

6-3.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2との違い

| 項目 | 介護休業 | 介護休暇 | | ----- | ---------------- | ------------ | | 主な用途 | 介護体制を作るためまとまって休む | 通院・手続き等で短く休む | | 利用期間 | 通算93日、3回まで | 年5日または10日 | | 取得単位 | 原則として一定期間 | 1日または時間単位 | | 経済的支援 | 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※4の対象になり得る | 法定の給付金はない | | 賃金 | 会社規程による | 会社規程による |

介護休暇は「休暇」という名称でも、法律上当然に有給になるわけではありません。有給か無給かは会社の規程によります。

6-4.対象者要件の変更

2025年4月1日から、継続雇用期間6か月未満の労働者を労使協定によって介護休暇の対象外にする仕組みは廃止されました。

現在、労使協定により除外できるのは、原則として週の所定労働日数が2日以下の労働者です。時間単位の取得が困難な業務について、労使協定により時間単位取得の対象外とし、1日単位のみとする場合があります。

6-5.申出方法

介護休暇は、法律上、申出を書面だけに限定していません。緊急時には口頭で申し出ることも可能です。

ただし、会社の手続き上、所定の申請書や勤怠システムへの入力を求められることがあります。後日の認識違いを防ぐため、可能であればメールや社内システム等で記録を残します。

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7.短時間勤務等の措置

7-1.制度の概要

事業主は、要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1にある対象家族を介護する労働者について、仕事と介護を両立するための短時間勤務等の措置を設ける必要があります。

事業主は次のうち、少なくとも一つの制度を設けます。

  • 短時間勤務制度
  • フレックスタイム制度
  • 始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ
  • 労働者が利用する介護サービス費用の助成
  • その他これらに準ずる制度

対象家族1人につき、利用開始日から連続する3年以上の期間に、2回以上利用できる制度であることが必要です。厚生労働省「短時間勤務等の措置」

7-2.短時間勤務の例

  • 1日8時間勤務を6時間勤務にする
  • 週5日勤務を週4日勤務にする
  • 特定の曜日を短時間勤務にする
  • 毎朝の介護に合わせて始業を遅らせる
  • デイサービスの帰宅時刻に合わせて終業を早める
  • 月ごとに勤務日数を減らす
  • 必要な時間帯を勤務しない扱いにする

どの方式を利用できるかは、勤務先が導入している制度によります。労働者が希望するすべての勤務パターンを会社が新たに設ける義務まではありません。

7-3.短時間勤務中の賃金

短縮した時間分の賃金を支払うかどうかは会社の規程によります。通常は、実際に働かなかった時間に応じて賃金が減ることがあります。

短時間勤務には、介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2給付のような法定の所得補償はありません。利用前に次の点を把握します。

  • 基本給の減額
  • 賞与査定
  • 退職金算定
  • 社会保険料
  • 時間外手当
  • 職務手当
  • 通勤手当
  • 評価・昇進への取り扱い

短時間勤務を利用したことを理由とする不利益な人事評価は許されませんが、実際に働かなかった時間に相当する賃金を支払わないことは、不利益取扱い(制度の申出や取得を理由に、解雇、降格、減給など不利な扱いをすることです)※4とは限りません。

7-4.フレックスタイムと時差出勤

フレックスタイムは、一定の範囲内で始業・終業時刻を労働者が調整する制度です。時差出勤は、勤務時間の長さを変えず、始業と終業を前後にずらします。

例えば、朝の服薬介助やデイサービス送り出しが必要な場合は遅出、夕方の帰宅受け入れが必要な場合は早出を選べると、勤務時間を大きく減らさずに両立できる可能性があります。

7-5.テレワーク

2025年4月から、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワーク等を選択できるよう、事業主に導入の努力義務が設けられました。

努力義務であるため、すべての企業や職種でテレワークを利用できるわけではありません。

また、テレワークは介護をしながら常時勤務する制度ではありません。就業時間中は業務へ従事する必要があります。見守り、排泄介助、認知症への対応、通院同行等に継続的な時間を要する場合は、訪問介護、通所介護、介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※3、短時間勤務等を組み合わせます。

08

8.所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※2の制限・残業免除

8-1.所定外労働とは

所定外労働は、就業規則や労働契約で定められた所定労働時間を超える勤務です。

例えば、会社の所定労働時間が午前9時から午後5時30分までの場合、それを超える勤務が所定外労働に当たります。

要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、会社は原則として所定外労働を免除する必要があります。

8-2.利用期間と手続き

  • 1回の請求につき1か月以上1年以内
  • 回数制限なし
  • 制限開始予定日の1か月前までに書面等で請求

労使協定(会社と労働者側の代表が、労働条件や制度運用について書面で結ぶ協定です)※3がある場合、継続雇用1年未満または週の所定労働日数が2日以下の労働者を対象外とすることがあります。

事業の正常な運営を妨げる場合には、事業主が請求を拒める例外があります。ただし、単に人員が少ない、繁忙期であるという抽象的な理由だけで当然に拒否できるとは限らず、事業内容、労働者の担当業務、代替要員等を個別に判断します。

制度の詳細は厚生労働省「所定外労働の制限」に掲載されています。

8-3.短時間勤務との違い

所定外労働の制限は、所定労働時間どおり働き、残業をしない制度です。短時間勤務は、所定労働時間そのものを短くする制度です。

例えば、午前9時から午後5時30分までが所定勤務の場合は次のようになります。

  • 所定外労働の制限:午後5時30分で退勤
  • 短時間勤務:午後4時で退勤するなど

給与への影響を抑えながら残業だけを免除したい場合は、所定外労働の制限が適しています。

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9.時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※3の制限

9-1.法定時間外労働を制限する制度

要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、会社は原則として、次の時間を超えて時間外労働をさせることができません。

  • 1か月24時間
  • 1年150時間

ここでいう時間外労働は、原則として1日8時間、週40時間という法定労働時間を超える勤務です。

所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※2と法定時間外労働は異なります。会社の所定労働時間が1日7時間の場合、7時間を超えて8時間までの勤務は所定外労働ですが、法定時間外労働ではありません。

9-2.利用期間

  • 1回につき1か月以上1年以内
  • 回数制限なし
  • 開始予定日の1か月前までに書面等で請求

時間外労働の制限を利用しても、月24時間までの時間外労働が自動的に命じられるという意味ではありません。会社は通常の労務管理と本人の事情を踏まえて勤務を調整します。

詳細は厚生労働省「時間外労働の制限」で案内されています。

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10.深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※4の制限

10-1.深夜業とは

育児・介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※3(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1上の深夜は、午後10時から午前5時までです。

要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※2にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、会社は原則として深夜時間帯に働かせることができません。

夜勤、宿直、交替制勤務等に従事する人に関係する制度です。

10-2.利用期間

  • 1回につき1か月以上6か月以内
  • 回数制限なし
  • 制限開始予定日の1か月前までに書面等で請求

10-3.対象外となる場合

次の人は対象外となる場合があります。

  • 日々雇用される労働者
  • 継続雇用1年未満
  • 週の所定労働日数が2日以下
  • 所定労働時間のすべてが深夜
  • 一定の条件を満たし、深夜に介護できる16歳以上の同居家族がいる

同居家族については、深夜に就労していないこと、疾病・障害等で介護が困難ではないこと、産前・産後の一定期間ではないことなどの条件があります。

制度の詳細は厚生労働省「深夜業の制限」に掲載されています。

10-4.夜勤免除後の働き方

深夜業の制限を利用すると、日勤帯への配置変更が必要になる場合があります。ただし、職種、資格、事業運営によって、従来と同じ業務を日中に用意できるとは限りません。

本人と会社は次の点を話し合います。

  • 日勤への変更
  • 業務内容
  • 勤務地
  • 夜勤手当の減少
  • シフト作成
  • 制限期間
  • 介護状況の変化
  • 制限終了後の勤務

深夜業をしなかったことにより夜勤手当が支給されないことは、直ちに不利益取扱い(制度の申出や取得を理由に、解雇、降格、減給など不利な扱いをすることです)※5に当たるとは限りません。一方、制度利用を理由に必要以上の降格や退職強要をすることは認められません。

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11.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1給付

11-1.介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※2とは

介護休業給付は、雇用保険の被保険者が対象家族を介護するため介護休業を取得し、一定の要件を満たした場合に支給される給付です。

支給額は原則として次の計算です。

介護休業給付額 =休業開始時賃金日額×支給日数×67%

休業開始時賃金日額には上限・下限があります。休業中に会社から賃金が支払われる場合は、支給額が減額または不支給になることがあります。

厚生労働省の介護休業制度案内も、一定の要件を満たす雇用保険被保険者に、休業開始時賃金日額の67%相当額を支給するとしています。厚生労働省「介護休業」

11-2.主な支給要件

一般的には次の要件を満たす必要があります。

  • 雇用保険の被保険者である
  • 対象家族の介護のため介護休業を取得した
  • 休業開始日前2年間に、みなし被保険者期間が通算12か月以上ある
  • 休業期間中の就業日数が一定範囲内である
  • 休業中の賃金が休業開始前賃金の一定割合未満である
  • 休業後に職場復帰する予定がある

疾病、負傷等によって賃金支払いの基礎となった日数が少ない期間がある場合は、算定期間に関する特例が適用されることがあります。

有期雇用労働者については、介護休業後の雇用継続見込み等も関係します。

11-3.給付対象となる期間

対象家族1人につき、3回を上限として、通算93日までが給付対象です。

同じ対象家族について複数回取得する場合は、残りの日数を把握します。

例:

  • 1回目30日取得:残り63日
  • 2回目20日取得:残り43日
  • 3回目43日取得:合計93日

3回を使い切った場合、日数が残っていても4回目は法定の介護休業として取得できません。分割方法は慎重に検討します。

11-4.休業中に働いた場合

介護休業中に一部就労した場合、就業日数や賃金額によって給付額へ影響します。

会社から「少しだけ出勤してほしい」と依頼された場合は、次の点を人事担当者へ照会します。

  • 出勤日数
  • 就業時間
  • 支払われる賃金
  • 介護休業給付への影響
  • 休業扱いを継続できるか

自己判断で就労すると、給付の減額や不支給につながる可能性があります。

11-5.申請手続き

通常は事業主が申請書類を作成し、事業所を管轄するハローワークへ提出します。本人が希望して直接申請する方法もあります。

必要書類の例は次のとおりです。

  • 介護休業給付金支給申請書
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 対象家族との続柄を示す書類
  • 介護休業申出書
  • 振込先口座情報
  • その他ハローワークが求める書類

申請期限があるため、介護休業開始前に人事担当者へ手続きの流れを尋ねます。

11-6.社会保険料

育児休業には一定の社会保険料免除制度がありますが、介護休業には同じ仕組みがありません。介護休業中も健康保険料、厚生年金保険料等の本人負担が生じます。

賃金の支払いがない場合、会社から本人へ社会保険料の支払い方法が案内されます。

介護休業給付は非課税ですが、社会保険料負担を含めると、休業前と同じ手取り額になるわけではありません。休業前に家計を試算します。

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12.2025年4月から企業に義務づけられた介護離職防止措置

12-1.雇用環境の整備

事業主は、介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1や両立支援制度の申出をしやすくするため、次のいずれかの措置を講じる必要があります。

  1. 介護休業・両立支援制度に関する研修
  2. 相談窓口等の相談体制整備
  3. 自社の利用事例の収集・提供
  4. 利用促進方針の周知

複数の措置を講じることが望ましいとされています。

従業員から質問があるまで何も案内しないのではなく、介護に直面する前から制度へアクセスできる環境を作ることが企業の役割です。

12-2.介護に直面した労働者への個別周知・意向確認

労働者が、家族の介護に直面したことを会社へ申し出た場合、事業主は個別に次の事項を周知し、利用意向を確かめる必要があります。

  • 介護休業制度
  • 介護両立支援制度
  • 社内の申出先
  • 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※2
  • 制度利用の意向

周知方法は、面談、書面交付、労働者が希望する場合のFAXや電子メール等です。オンライン面談も利用できます。

制度の利用を控えさせるような説明は認められません。

12-3.40歳前後での情報提供

事業主は、労働者が介護に直面する前の早い段階で、介護休業制度等に関する情報を提供する必要があります。

情報提供期間は、次のいずれかです。

  • 40歳に達する日の前日が属する年度
  • 40歳の誕生日から1年間

提供する情報は、介護休業、介護両立支援制度、申出先、介護休業給付等です。併せて介護保険制度を案内することが望ましいとされています。

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13.会社へ介護のことを伝える時期

13-1.退職を決める前に伝える

会社へ伝える時期は、介護が限界になってからではなく、仕事への影響が見え始めた段階が適しています。

例えば、次の状況です。

  • 親が入院した
  • 退院後に一人暮らしへ戻ることが難しい
  • 認知症の診断を受けた
  • 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※2を申請した
  • 通院付き添いが増えた
  • 夜間の電話が増えた
  • 転倒や救急搬送が続いた
  • 家族だけの支援では難しくなった
  • 遠方へ頻繁に帰省する必要が生じた
  • 短時間勤務等を利用したい
  • 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1を検討している

介護が始まったことを伝えるだけで、直ちに介護休業を取得する必要はありません。将来の勤務調整に備え、利用できる制度を知るための相談として伝えることもできます。

13-2.最初の相談先

  • 直属上司
  • 人事・労務担当
  • 社内の介護相談窓口
  • 産業医・産業保健スタッフ
  • 労働組合
  • 外部EAP
  • 社会保険労務士

直属上司へ家庭の詳細を伝えにくい場合は、人事担当者や社内相談窓口へ先に相談します。

14

14.会社へ伝える情報

会社へ家族の病歴や介護内容をすべて詳しく話す必要はありません。勤務調整に必要な情報を整理して伝えます。

14-1.基本情報

  • 介護が必要な家族との続柄
  • 同居か別居か
  • 家族の居住地域
  • 介護が一時的か長期化する可能性があるか
  • 現在の支援状況
  • 自分以外の支援者
  • 仕事へ影響する可能性

14-2.勤務へ関係する情報

  • 通院日
  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※3との面談予定
  • 退院予定日
  • 介護サービス開始予定
  • 朝夕に必要な対応
  • 緊急連絡が入る可能性
  • 夜間介護による負担
  • 遠距離移動の頻度
  • 希望する勤務制度
  • 利用希望期間
  • 見直し予定日

14-3.伝え方の例

「父が脳梗塞で入院し、退院後に介護サービスを導入する必要があります。要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※4申請とケアマネジャーとの調整のため、今後1か月程度、通院や面談で勤務時間の調整が必要になる可能性があります。介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2、時差出勤、短時間勤務の利用条件について相談したいです。」

「遠方に住む母に認知症があり、月1回程度の帰省と、急な受診対応が必要です。現時点で退職は考えていません。介護休暇の時間単位利用、在宅勤務、残業免除について利用できる制度を教えてください。」

14-4.会社へ伝えなくてもよい情報

業務調整に不要な病名の詳細、本人の私生活、家族間の対立などまで話す必要はありません。

一方、制度利用の要件を判断するため、対象家族との続柄や要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※1に関する一定の情報を求められることがあります。

健康情報や家族情報は個人情報です。会社は利用目的を明確にし、必要な範囲で取り扱う必要があります。

15

15.ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※2へ相談する時期

15-1.「介護が始まってから」では遅いことがあります

ケアマネジャーや地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護(虐待防止、成年後見制度の利用支援、消費者被害防止などにより本人の権利を守る支援です)※6などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※1への相談は、介護を一人で続けられなくなってからではなく、生活上の変化が生じた段階で行います。

相談を検討する主な時期は次のとおりです。

入院したとき

  • 退院後に独居へ戻れるか不安
  • 歩行や排泄が難しくなった
  • 認知機能が低下した
  • 医療処置が必要になった
  • 家族が仕事を休み続けている

退院の話が出たとき

  • 退院後の介護者がいない
  • 自宅環境が整っていない
  • 福祉用具が必要
  • 訪問看護や訪問介護が必要
  • 家族が日中不在
  • 遠距離介護になる

在宅生活に変化が出たとき

  • 転倒した
  • 食事量が減った
  • 服薬を忘れる
  • 火の不始末がある
  • 外出後に帰宅できない
  • 入浴できていない
  • 電話が頻回
  • 金銭管理が難しい
  • 家族の睡眠が取れない
  • 介護者が欠勤・遅刻するようになった

家族が退職を考えたとき

退職届を出す前に、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ相談します。介護サービスの追加、短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※4、定期巡回、見守り、配食、訪問診療等によって、勤務継続の可能性を再検討できます。

15-2.要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※3前の相談

要介護認定を受けていなくても、地域包括支援センターへ相談できます。

地域包括支援センターでは、次の相談に対応します。

  • 要介護認定申請
  • 介護予防
  • 高齢者の権利擁護
  • 認知症
  • 成年後見制度
  • 虐待
  • 介護者支援
  • 地域サービス
  • ケアマネジャー選び

入院中は、病院の医療ソーシャルワーカー(病院で療養生活、退院、福祉制度、経済面などの相談を支援する相談員です)※5や退院支援看護師へ相談し、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所へつないでもらう方法があります。

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16.ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン(本人の希望と生活上の課題を踏まえ、利用する介護サービスと支援目標をまとめた計画です)※4作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※3へ伝えるべき就労情報

ケアプランを作る際、本人の状態だけでなく、介護する家族の勤務状況も重要です。

家族は次の事項をケアマネジャーへ伝えます。

  • 勤務曜日
  • 始業・終業時刻
  • 通勤時間
  • 在宅勤務の可否
  • 夜勤・交替勤務
  • 出張
  • 残業
  • 休日
  • 急な休暇取得の可否
  • 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1の予定
  • 介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2の日数
  • 兄弟姉妹等の支援可能日
  • 家族が対応できない時間
  • 緊急時に職場から戻れるまでの時間

「家族がいる」というだけで介護力があると判断することはできません。同居していても、日中勤務、夜勤、疾病、育児、障害等により介護を担えない場合があります。

16-1.ケアプランへ反映したい内容

  • 家族の就労継続
  • 通勤前後の介護負担
  • 日中独居への対応
  • デイサービスの送迎時間
  • 訪問介護の訪問時刻
  • 服薬時間
  • 通院支援
  • 緊急連絡の順番
  • 夜間支援
  • 短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※5
  • レスパイト
  • 家族不在時の食事
  • 鍵の管理
  • 見守り機器
  • 金銭管理
  • 災害時の対応

本人の生活と家族の就労を対立させるのではなく、双方を持続できる支援体制を作ります。

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17.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1の活用モデル

17-1.入院・退院型

介護休業前

  • 病院の退院支援部門へ相談
  • 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※5申請
  • 会社へ介護状況を申出
  • 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※3の手続きを相談

介護休業中

  • 退院前カンファレンス
  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※4決定
  • 福祉用具搬入
  • 住宅改修
  • 訪問看護・訪問介護導入
  • 家族への介助指導
  • 緊急連絡体制の作成

復職前

  • 実際のサービス週間予定を試す
  • 通勤時間帯に家族が不在となる状況を試す
  • 不足する支援を追加
  • 会社と復職後の勤務時間を調整

17-2.認知症型

主な課題

  • 服薬忘れ
  • 外出後に帰れない
  • 火の不始末
  • 頻回な電話
  • 金銭トラブル
  • サービス拒否

支援

  • 通所介護
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 配食
  • 服薬支援機器
  • GPS
  • 見守りサービス
  • 成年後見制度等
  • 認知症初期集中支援チーム
  • 短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※6

介護休業中に本人とサービス事業者との関係を作り、家族が不在でも支援を受け入れられるよう調整します。

17-3.終末期型

主な課題

  • 病状変化が速い
  • 夜間の疼痛や呼吸苦
  • 医療用麻薬
  • 訪問看護の頻回利用
  • 看取りの場所
  • 家族の心理的負担

支援

  • 在宅療養支援診療所
  • 医療保険による訪問看護
  • 訪問介護
  • 訪問入浴
  • 福祉用具
  • 緊急入院先
  • 家族の介護休業・介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2
  • グリーフケア

この場合は、長期的な勤務設計だけでなく、短期間の病状変化へ対応できる休暇と緊急連絡体制が重要です。

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18.遠距離介護

18-1.遠距離介護の特徴

親と子が離れて暮らしている場合、介護動作そのものより、移動、情報不足、緊急対応、サービス調整が負担になります。

  • 新幹線・飛行機等の交通費
  • 移動時間
  • 宿泊費
  • 頻回な帰省
  • 急な救急搬送
  • 医療機関からの連絡
  • 郵便物や請求書の管理
  • 住宅の管理
  • 本人のサービス拒否
  • 支援者不在
  • 兄弟姉妹間の役割調整

遠距離介護では、「毎週帰る」ことを前提にすると、仕事と生活が持続しにくくなります。現地の支援体制を作り、家族は現地でなければできないことに役割を絞ります。

18-2.最初の相談先

親の住所地を担当する地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※1へ相談します。家族が別の自治体に住んでいても相談できます。

伝える内容は次のとおりです。

  • 本人氏名・住所
  • 年齢
  • 現在の病気
  • 生活上の問題
  • 認知症の有無
  • 本人の連絡先
  • 近隣支援者
  • 家族が遠方にいること
  • 家族が訪問できる頻度
  • 緊急性
  • 本人が相談に同意しているか

本人の同意なく個人情報を家族へ提供できない場合があります。地域包括支援センターは家族から相談を受けられますが、本人への働きかけや情報共有は状況に応じて進めます。

18-3.遠距離介護で整えたい支援

  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※2
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 通所介護
  • 配食
  • 見守り
  • 緊急通報
  • 服薬支援
  • 訪問診療
  • 訪問薬剤管理
  • 介護タクシー
  • 金銭管理支援
  • 鍵の管理
  • 郵便物の転送
  • 地域住民・民生委員とのつながり
  • 短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※3
  • 施設入所の事前検討

18-4.デジタル機器

  • 見守りセンサー
  • 人感センサー
  • 開閉センサー
  • スマートスピーカー
  • テレビ電話
  • 服薬支援機器
  • GPS
  • スマートロック
  • 緊急通報端末
  • 電気・ガス使用量による見守り

機器だけで緊急対応はできません。異常通知を受けた後に、誰が現地へ行くかを決めます。

18-5.帰省回数を減らす工夫

  • 定期受診日とケアマネジャー面談日を合わせる
  • サービス担当者会議へオンライン参加する
  • 医療機関のオンライン面談を相談する
  • 請求書を口座振替へ変える
  • 日用品を定期配送にする
  • 薬局の一包化・訪問薬剤管理を利用する
  • 書類手続きを郵送・オンラインで行う
  • 家族連絡をケアマネジャーへ集約する
  • 緊急度別の連絡基準を決める
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19.家族内の役割分担

19-1.「平等」よりも「継続できる分担」

兄弟姉妹が全員同じ回数訪問することが、必ずしも適切とは限りません。居住地、勤務、健康、育児、経済力、本人との関係に応じて役割を分けます。

役割の例は次のとおりです。

  • 通院同行
  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※1との連絡
  • 金銭管理
  • 費用負担
  • 買い物
  • 緊急時の訪問
  • 定期的な電話
  • 行政手続き
  • 施設探し
  • 郵便物管理
  • 入退院対応
  • 本人の希望を聴く役割

遠方の家族が費用やオンライン連絡を担い、近隣の家族が緊急訪問を担う方法もあります。

19-2.役割表

| 項目 | 主担当 | 代替担当 | 外部サービス | | ------- | ---- | ------ | ------- | | 日常の安否確認 | 長女 | 長男 | 見守りサービス | | 通院同行 | 長男 | 長女 | 介護タクシー | | 服薬 | 本人 | 訪問看護 | 薬局 | | 買い物 | 訪問介護 | 家族 | 宅配 | | 緊急時 | 近隣親族 | 長男 | 訪問診療・救急 | | 金銭管理 | 長女 | 成年後見人等 | 社協支援 | | ケアマネ連絡 | 長女 | 長男 | ― |

主担当が対応できない場合をあらかじめ決めます。

19-3.家族会議で話し合う内容

  • 本人の希望
  • 医療方針
  • 在宅生活の限界
  • 各家族ができること
  • できないこと
  • 費用負担
  • 緊急時
  • 施設入所
  • 看取り
  • 連絡方法
  • 意見が分かれた場合の進め方

「長男だから」「同居しているから」「女性だから」という理由だけで介護を集中させないことが大切です。

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20.家族だけで抱え込まない支援体制

20-1.介護保険サービス

訪問介護

  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 更衣
  • 食事介助
  • 調理
  • 掃除
  • 買い物
  • 服薬の声かけ等

同居家族がいる場合の生活援助には一定の取り扱いがありますが、家族が就労、疾病、障害等により家事を担えない事情がある場合は、個別に必要性を検討します。

通所介護

  • 日中の見守り
  • 食事
  • 入浴
  • 機能訓練
  • 送迎
  • 家族の介護負担軽減

家族の就労時間と送迎時刻が合うかが重要です。朝の出勤が早い、帰宅が遅い場合は、送り出し・迎え入れの訪問介護等を組み合わせます。

短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※1

  • 家族の出張
  • 休養
  • 冠婚葬祭
  • 介護者の入院
  • 一時的な介護困難
  • 施設生活の体験

必要になってからでは空床がない場合があります。定期利用や複数施設への登録を検討します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護(定期訪問と緊急時の随時対応を組み合わせ、介護と看護を一体的に提供する地域密着型サービスです)※2

日中・夜間を通じた定期訪問と随時対応を組み合わせます。独居や医療ニーズのある方の在宅生活を支えられる場合があります。

小規模多機能・看護小規模多機能

通い、訪問、宿泊を一体的に提供します。状態変化に合わせて支援を調整しやすい特徴があります。

20-2.医療サービス

  • 訪問診療
  • 訪問看護
  • 訪問歯科
  • 訪問薬剤管理
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導

家族が医療処置や服薬管理をすべて担うのではなく、医療職の定期訪問を導入します。

20-3.介護保険外の支援

  • 配食
  • 家事代行
  • 民間見守り
  • 自費訪問介護
  • 移送サービス
  • 理美容
  • 宅配
  • シルバー人材センター
  • 地域ボランティア
  • ごみ出し支援
  • 地域の通いの場

介護保険サービスだけでは、ペットの世話、大掃除、庭の管理、同居家族分の家事、長時間の見守り等へ対応できない場合があります。保険外支援を組み合わせます。

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21.本人が介護サービスを拒否する場合

介護サービスを拒否する理由には、次のようなものがあります。

  • 他人を家へ入れたくない
  • 自分は介護を必要としていないと思っている
  • 認知症への病識が乏しい
  • 費用が不安
  • 家族がやるべきだと考えている
  • サービス内容を理解できていない
  • 過去に嫌な経験がある
  • 新しい人や場所への不安
  • 聴覚・視覚・言語障害で説明が伝わりにくい
  • うつ状態や意欲低下
  • 生活習慣を変えたくない

家族が仕事を辞めて介護することを先に決めるのではなく、拒否の理由を整理します。

導入方法の例は次のとおりです。

  • 「介護」ではなく本人が望む家事や外出から始める
  • 同じ担当者が継続して訪問する
  • 家族同席で初回訪問する
  • 短時間から始める
  • 医師から必要性を説明する
  • 訪問看護から関係を作る
  • 見学・体験利用をする
  • 本人が選べる選択肢を用意する
  • 本人の得意なことを奪わない
  • 費用を具体的に説明する

認知症があっても、本人の意思を無視してサービスを進めるべきではありません。安全上の危険、意思決定能力、家族の負担を踏まえ、段階的に支援へつなぎます。

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22.介護者の健康を守る

仕事と介護の両立では、介護者本人の健康状態も支援対象です。

次の状態が続く場合は注意が必要です。

  • 睡眠不足
  • 食欲低下
  • 動悸
  • 頭痛
  • 腰痛
  • 強い疲労
  • 集中力低下
  • 仕事上のミス
  • 欠勤・遅刻
  • 気分の落ち込み
  • 不安
  • 怒り
  • 飲酒量の増加
  • 家族への強い言動
  • 「消えてしまいたい」などの訴え

ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※2地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※1、かかりつけ医、産業医、職場の相談窓口等へ相談します。

家族介護者が倒れると、本人の在宅生活も継続できなくなる可能性があります。休養は介護を放棄することではなく、支援体制を維持するために必要です。

23

23.退職を検討する前に整理すること

退職は本人の意思による選択ですが、決定前に次の項目を整理します。

23-1.会社の制度

  • 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1
  • 介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2
  • 短時間勤務
  • 残業免除
  • 時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※3制限
  • 深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※4制限
  • テレワーク
  • フレックスタイム
  • 時差出勤
  • 配置転換
  • 保存休暇
  • 再雇用制度

23-2.介護サービス

  • 訪問介護
  • 通所介護
  • 訪問看護
  • 短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※6
  • 定期巡回
  • 小規模多機能
  • 配食
  • 見守り
  • 施設入所

23-3.経済面

  • 退職後の収入
  • 健康保険
  • 国民年金保険料
  • 住民税
  • 介護費用
  • 住宅費
  • 再就職の可能性
  • 将来の年金額
  • 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※5
  • 家族間の費用分担

23-4.介護の見通し

  • 一時的な介護か
  • 長期化する可能性
  • 病状の進行
  • 介護者の増減
  • 施設入所の可能性
  • 本人の希望
  • 看取りの場所

介護のために退職しても、介護負担が減るとは限りません。24時間対応できる家族がいることを前提に、外部サービスが減り、介護がさらに集中する場合もあります。

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24.不利益取扱い(制度の申出や取得を理由に、解雇、降格、減給など不利な扱いをすることです)※4とハラスメント

介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※3、短時間勤務、残業免除等の申出・利用を理由とする、次のような不利益取扱いは禁止されています。

  • 解雇
  • 雇止め
  • 退職の強要
  • 正社員から非正規雇用への変更強要
  • 不利益な配置転換
  • 降格
  • 不当な減給
  • 昇進・昇格での不利益
  • 人事考課での不利益
  • 復職を妨げる行為

事業主には、介護休業等に関する上司・同僚からのハラスメントを防止する措置も義務づけられています。厚生労働省「介護休業等に関する相談窓口」

24-1.記録を残す

問題が生じた場合は、次の記録を残します。

  • 日時
  • 場所
  • 相手
  • 言われた内容
  • 同席者
  • メール
  • チャット
  • 申請書
  • 就業規則
  • 人事通知
  • 勤怠記録

24-2.相談先

  • 会社の人事・コンプライアンス窓口
  • 労働組合
  • 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
  • 総合労働相談コーナー
  • 法テラス
  • 弁護士
  • 社会保険労務士

育児・介護休業法(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1に関する行政相談は、勤務先所在地を管轄する都道府県労働局が担当します。

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25.仕事と介護を両立するための実践的な手順

第1段階:介護の兆候を把握する

  • もの忘れ
  • 転倒
  • 食事量低下
  • 服薬忘れ
  • 未払い
  • 家の汚れ
  • 受診中断
  • 運転への不安
  • 電話の増加
  • 同じ話の繰り返し

第2段階:本人と話し合う

  • 困っていること
  • 続けたい生活
  • 支援してほしいこと
  • 支援されたくないこと
  • 医療
  • 住まい
  • 金銭
  • 緊急連絡先

第3段階:地域の窓口へ相談する

  • 地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※3
  • 市区町村介護保険窓口
  • 医療機関
  • ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン(本人の希望と生活上の課題を踏まえ、利用する介護サービスと支援目標をまとめた計画です)※5作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※4

第4段階:会社へ早めに伝える

  • 介護に直面したこと
  • 仕事への影響
  • 利用したい制度
  • 相談したい期間

第5段階:必要な制度を組み合わせる

  • 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1
  • 介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2
  • 短時間勤務
  • 残業免除
  • テレワーク
  • 介護保険サービス

第6段階:定期的に見直す

介護状態、勤務状況、家族関係は変化します。ケアプランと勤務制度を定期的に見直します。

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26.よくある質問

Q1.要介護認定を受けていないと介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※3を取れませんか

必ずしも要介護認定が必要とは限りません。育児・介護休業法(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1上の要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※2に該当するかで判断します。会社へ提出する書類は勤務先の規程を調べてください。

Q2.親と同居していなくても取得できますか

対象家族であれば、同居していない親の介護でも介護休業等を利用できる可能性があります。

Q3.義理の父母も対象ですか

配偶者の父母は対象家族です。

Q4.介護休業は93日間連続で取る必要がありますか

対象家族1人につき3回まで分割できます。通算93日の範囲で取得します。

Q5.介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※4は有給ですか

有給か無給かは会社の規程によります。年次有給休暇とは別の休暇ですが、法令は賃金支払いまで一律に義務づけていません。

Q6.介護休暇を1時間だけ使えますか

原則として時間単位で利用できます。ただし、労使協定により時間単位取得が難しい業務を除外している場合があります。

Q7.介護休業中に給付金はありますか

雇用保険の要件を満たせば、原則として休業開始時賃金日額の67%相当の介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※5を受けられる可能性があります。

Q8.介護休業中の社会保険料は免除されますか

育児休業と異なり、介護休業には同様の社会保険料免除制度がありません。

Q9.会社に病名を詳しく伝える必要がありますか

制度利用に必要な範囲の情報は求められることがありますが、業務調整に不要な家族の医療情報まで広く伝える必要はありません。

Q10.ケアマネジャーには家族の仕事を伝えるべきですか

勤務時間、通勤時間、休暇取得の難しさ、夜勤、出張等は、現実的なケアプランを作るために重要です。

Q11.親が介護サービスを拒否しています

拒否理由を整理し、本人が受け入れやすい支援から始めます。地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※6やケアマネジャーへ相談してください。

Q12.遠距離でもケアマネジャーへ相談できますか

本人の住所地を担当する地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談できます。オンライン会議や電話連絡も活用します。

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27.相談先一覧

| 相談内容 | 主な相談先 | | --------- | ---------------------- | | 介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2 | 勤務先人事、都道府県労働局 | | 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※3 | 勤務先、ハローワーク | | 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※6 | 市区町村、地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※4 | | ケアプラン(本人の希望と生活上の課題を踏まえ、利用する介護サービスと支援目標をまとめた計画です)※5 | 居宅介護支援事業所 | | 入院・退院 | 医療ソーシャルワーカー、退院支援部門 | | 認知症 | 地域包括支援センター、認知症疾患医療センター | | 遠距離介護 | 本人住所地の地域包括支援センター | | 介護者の健康 | かかりつけ医、産業医、社内相談窓口 | | 職場の不利益取扱い | 労働局雇用環境・均等部(室) | | 経済的問題 | 市区町村、生活困窮者自立相談支援機関 | | 成年後見・金銭管理 | 社会福祉協議会、成年後見相談窓口 |

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28.横浜市・川崎市・大田区・品川区で相談を始めるとき

仕事と介護の両立支援制度は全国共通の法律に基づきますが、介護保険の相談窓口、地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護(虐待防止、成年後見制度の利用支援、消費者被害防止などにより本人の権利を守る支援です)※5などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※1の名称、家族介護者向け事業、認知症相談、配食や見守りなどの地域支援は自治体によって異なります。対象地域に住む家族を支えるときは、勤務先の制度確認と並行して、介護を受ける本人の居住地を担当する公的窓口へ相談します。

本人と働く家族の住所が違う場合、介護保険の申請や地域サービスの相談は、原則として本人の住民票がある市区町村が入口になります。遠距離介護では、働く家族の勤務地や住所ではなく、本人の住所を基準に担当窓口を探すことが重要です。施設入所、住所地特例(施設入所等で転居しても、一定の場合は転居前の市区町村が介護保険の保険者となる仕組みです)※4、転居予定などがある場合は、保険者となる自治体を個別に確認します。

28-1.横浜市

横浜市では、各区の高齢・障害支援課と地域ケアプラザが、高齢者の介護、介護予防、認知症、権利擁護、家族の困りごとなどの相談を受け付けています。地域ケアプラザは横浜市における地域包括支援センターの機能を担う身近な相談先です。本人の住所を担当する地域ケアプラザが分からないときは、区役所へ住所を伝えて確認します。

相談時には、本人の氏名、住所、生年月日、現在の生活状況、既往歴や受診先、家族構成、緊急性、働く家族が困っている時間帯を整理しておくと、必要な支援へつながりやすくなります。要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※2を受けていない段階でも相談できます。

28-2.川崎市

川崎市では、地域包括支援センターが、高齢者の生活や介護に関する総合相談、介護予防、権利擁護、地域の支援機関との連携を担います。本人の住所によって担当センターが決まります。区役所の高齢・障害課でも、要介護認定や介護保険制度の相談ができます。

仕事中に本人が一人になる、認知症による外出や服薬忘れがある、退院後の生活が整わないなど、家族だけで対応しにくい状況は早めに伝えます。緊急性が高い場合は、通常の申請手続だけでなく、当面の安全確保についても相談します。

28-3.大田区

大田区では、地域包括支援センターが高齢者の総合相談窓口です。大田区では地域包括支援センターを「さわやかサポート」と案内しており、介護、医療、認知症、生活上の困りごと、権利擁護などを相談できます。本人の住所を担当するさわやかサポートへ連絡します。

遠距離から相談する場合は、電話だけでなく、必要に応じて本人を含む面談や関係者会議の日程を調整します。家族が平日に動けないときは、利用できる相談方法や予約の要否を事前に確認します。

28-4.品川区

品川区では、在宅介護支援センターが地域包括支援センターとして、高齢者の介護や生活に関する相談を受け付けています。本人の住所を担当する在宅介護支援センターへ相談し、要介護認定、介護予防、在宅生活、認知症、家族介護について必要な支援を整理します。

品川区外に住む家族が相談するときも、本人の居住状況と連絡可能な家族を明確にします。病院から退院予定の連絡を受けた場合は、退院日を待たず、病院の医療ソーシャルワーカー(病院で療養生活、退院、福祉制度、経済面などの相談を支援する相談員です)※3と地域の相談窓口をつなぐよう依頼します。

28-5.自治体へ最初に伝えること

  • 本人がどこで、誰と暮らしているか
  • 食事、排せつ、入浴、移動、服薬、金銭管理の状況
  • 認知症が疑われる言動や安全上の心配
  • 通院先、入院先、退院予定日
  • 日中や夜間に本人を支えられる人
  • 働く家族の勤務時間、通勤時間、休める曜日
  • 介護離職を考えるほど困っていること
  • 直近で起きた事故、転倒、徘徊、火の不始末など

「まだ要介護認定がないから相談できない」と考える必要はありません。認定申請前でも、現在の困りごとを整理し、申請や利用できる地域資源について相談できます。

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29.会社の制度を確認するための実務チェック

法定制度は最低限の基準です。会社によっては、介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1の上乗せ期間、有給の介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2、積立休暇、失効年休の利用、短時間勤務の選択肢、フレックスタイム、在宅勤務、転勤配慮、相談窓口、福利厚生サービスなどを設けています。就業規則、育児・介護休業規程、社内ポータル、労働条件通知書を確認します。

29-1.人事担当者へ確認する項目

  1. 介護休業と介護休暇の申出方法、期限、必要書類
  2. 対象家族と対象労働者の範囲
  3. 休業・休暇中の賃金の扱い
  4. 介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※6の申請を会社が行うか、本人が行うか
  5. 短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤の選択肢
  6. 所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※3時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※4深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※5の制限手続
  7. 在宅勤務を利用できる条件
  8. 有給休暇、積立休暇、特別休暇との組み合わせ
  9. 賞与、昇給、退職金、評価への影響
  10. 社会保険料、住民税、会社の福利厚生の扱い
  11. 復職前面談と復職後の勤務調整
  12. 相談内容を共有する範囲と個人情報の扱い

制度名だけで判断せず、利用できる日数、申出期限、賃金、同時利用の可否まで確認します。口頭説明だけでなく、規程の該当部分や社内案内を保存しておくと、家族との話し合いや資金計画に役立ちます。

29-2.上司へ相談するときの文章例

「家族に継続的な介護が必要になり、現在、地域包括支援センターと介護保険サービスの利用を調整しています。すぐに退職するのではなく、仕事を続けるために、当面の休暇と今後の勤務方法を相談したいです。現時点では、〇月〇日の受診同行と、毎週〇曜日の夕方に対応が必要です。介護休業、介護休暇、短時間勤務等の利用条件を人事担当者と確認させてください。」

将来の介護期間を正確に予測できなくても相談できます。「いつまで続くか分からない」こと自体を伝え、まず直近一か月の勤務上の課題を具体化します。

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30.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1中に行うことを週ごとに整理する

介護休業は、働く家族がすべての介護を担うための長期休暇ではありません。復職後も続く支援体制を作る期間として使います。休業中の予定を週単位で整理すると、手続だけで期間が終わることを防げます。

30-1.最初の一週間

本人の安全、食事、服薬、排せつ、金銭、受診状況を確認します。地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※2または区市の窓口へ相談し、要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※4の申請状況を確認します。入院中なら、退院支援担当者へ家族の勤務状況と在宅で支援できる限界を伝えます。

30-2.二週目まで

認定調査(市区町村等の調査員が本人の心身状態や生活状況を確認する調査です)※6主治医意見書(要介護認定の審査に使うため、心身の状態や医療上の意見を主治医が記載する書類です)※5ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※3選定、住宅環境の確認を進めます。介護ベッドや手すりが必要でも、自己判断で購入する前に、介護保険の福祉用具貸与や住宅改修の対象を確認します。緊急通報、配食、見守り、通院手段も整理します。

30-3.三週目以降

訪問介護、通所介護、短期入所などを試し、本人の反応と家族の負担を確認します。サービス開始直後は、本人が慣れず拒否することがあります。すぐに中止せず、時間帯、担当者、利用回数、説明方法をケアマネジャーと調整します。

30-4.復職前

平日の起床から就寝までを想定し、誰がどの時間を担うか確認します。急な発熱、転倒、サービス中止、家族の残業、交通障害が起きたときの連絡順を決めます。会社とは復職日、勤務時間、出社日、制限制度の利用期間、次回面談日を確認します。

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31.介護にかかる費用と家計の確認

仕事を辞めるかどうかを考える前に、介護費用だけでなく、退職によって失う収入、社会保険、将来の年金、再就職の可能性を含めて比較します。介護サービスの自己負担は、介護保険負担割合、利用するサービス量、食費、居住費、交通費、保険外サービスなどで変わります。

31-1.確認したい費用

  • 介護保険サービスの自己負担
  • 通所や短期入所(短期間、施設に宿泊して介護や生活支援を受けるサービスです)※1の食費、滞在費
  • 紙おむつ、衛生用品、衣類
  • 通院交通費、介護タクシー等の費用
  • 住宅改修、福祉用具、見守り機器
  • 遠距離介護の交通費と宿泊費
  • 配食、家事代行など保険外サービス
  • 施設入所の初期費用と月額費用

高額介護サービス費(1か月の介護保険サービス自己負担が上限を超えた場合、要件に応じて超過分が支給される制度です)※2、医療費控除、高額医療・高額介護合算療養費(医療保険と介護保険の年間自己負担を合算し、上限を超えた分を要件に応じて支給する制度です)※3、自治体独自の助成などを利用できる場合があります。対象や申請方法は制度ごとに異なるため、領収書や利用明細を保管し、市区町村、税務署、加入する医療保険者へ確認します。

31-2.退職前に比較すること

退職後は給与だけでなく、会社の健康保険、厚生年金、福利厚生、退職金算定、昇給機会などにも影響します。いったん退職すると、介護状況が落ち着いても同じ条件で復職できるとは限りません。短時間勤務や休業で一時的に収入が下がる場合と、退職する場合を複数の期間で比較します。

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32.認知症と仕事の両立

認知症介護では、身体介護が少なくても、電話対応、捜索、金銭トラブル、服薬確認、近隣対応などが突発的に発生します。見た目の介護量だけでなく、仕事中の中断回数や常時連絡を待つ心理的負担を把握します。

32-1.仕事中の連絡を減らす工夫

  • 緊急時と通常連絡の基準を決める
  • 最初の連絡先と次の連絡先を分ける
  • デイサービス、訪問介護、近隣支援者と情報を共有する
  • 服薬支援、配食、見守り機器を組み合わせる
  • 金銭管理や訪問販売への対策を行う
  • 行方不明時の地域の仕組みを確認する

本人の同意と尊厳を大切にしながら、事故の危険が高い部分から環境を整えます。監視を強めるだけでなく、本人が安心して過ごせる日課や役割を作る視点が必要です。

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33.入院・退院時の両立支援

入院中は病院が介護を担っているため、家族が仕事を続けられるように見えても、退院日が決まると短期間で住環境、サービス、通院、服薬を整える必要があります。退院後に家族が休み続けることを避けるには、早い段階で退院支援担当者へ相談します。

33-1.病院へ伝えること

  • 家族の勤務時間と通勤時間
  • 日中独居になる時間
  • 家族ができる介助とできない介助
  • 自宅の段差、寝室、トイレ、浴室の状況
  • 退院後に希望する生活場所
  • 医療処置を家族が行う必要があるか
  • 緊急時の受診先と連絡方法

退院前カンファレンス(退院後の生活を整えるため、本人、家族、病院、在宅支援者等が情報と役割を確認する話し合いです)※2には、本人、家族、病院職員、ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※1、訪問看護、福祉用具事業者などが参加することがあります。家族が平日に参加できない場合は、オンライン参加、電話、事前の意見提出が可能か相談します。

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34.介護が終わった後の復職と心身の回復

施設入所、状態の安定、看取りなどで介護の状況が変わっても、働く家族の疲労や喪失感がすぐに消えるとは限りません。復職時には勤務時間だけでなく、集中力、睡眠、通院、手続の残りを考慮します。

会社との復職面談では、介護状況の変化、利用していた制度、現在必要な配慮、通常勤務へ戻す時期を確認します。必要な範囲で産業医、保健師、社内相談窓口を利用します。心身の不調が続く場合は、早めに医療機関へ相談します。

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35.追加のよくある質問

Q13.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※3を取ると人事評価が下がりますか

介護休業等の申出や取得を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されています。ただし、休業期間を働いたものとして賃金や評価を必ず加算する制度ではありません。評価基準や休業期間の扱いを就業規則で確認し、不明点は人事担当者へ尋ねます。

Q14.パートや有期契約でも利用できますか

雇用形態だけで一律に対象外とはなりません。制度ごとに対象要件があり、労使協定による除外範囲も異なります。契約期間や週の所定労働日数を含め、会社へ確認します。

Q15.介護休業中に年次有給休暇を使えますか

介護休業と年次有給休暇は別の制度です。同じ日に重ねて取得するものではありません。どの制度をどの順に使うかは、賃金、必要期間、申出期限を踏まえて会社と調整します。

Q16.兄弟姉妹がいても自分だけ介護休業を取れますか

対象家族との関係や労働者本人の要件を満たせば、他の家族の有無だけで利用できなくなるものではありません。家族内の分担とは別に、自分の勤務先へ申出ます。

Q17.介護施設を探すために介護休業を使えますか

介護休業は、介護体制を整えるために利用できます。施設の情報収集、見学、申込みだけでなく、在宅サービスや家族分担も含めて比較します。入所待ちの期間を家族だけで支えることにならないよう、ケアマネジャーへ相談します。

Q18.介護休業を取らずに短時間勤務だけ利用できますか

制度の要件を満たせば、介護休業を先に取得しなければ短時間勤務等を利用できないという関係ではありません。必要な時間帯と期間に合う制度を選びます。

Q19.急な受診同行には何を使えばよいですか

短時間の対応なら、時間単位の介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※4、年次有給休暇、フレックスタイム等が候補です。緊急時の申出方法と事後手続を会社へ確認しておきます。

Q20.介護休業給付は会社から支給されますか

介護休業給付は雇用保険の給付です。申請手続を会社が取りまとめる場合と本人が行う場合があるため、勤務先またはハローワークへ確認します。

Q21.介護休業中に副業できますか

就業規則、休業の実態、給付の支給要件に関係します。自己判断で始めず、会社とハローワークへ事前に確認します。

Q22.介護休業を分けて取るメリットは何ですか

入院直後、退院準備、在宅生活の見直しなど、介護体制を組み直す時期に分けて使えます。合計日数と分割回数の上限を確認し、将来必要になる期間も残します。

Q23.会社へ介護認定の結果を提出する必要がありますか

会社は申出に必要な証明書類を求める場合がありますが、必要以上の医療情報まで一律に伝えるとは限りません。会社の規程と個人情報の取扱いを確認します。

Q24.親が海外に住んでいても制度を利用できますか

対象家族と要介護状態(けが、病気、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です)※2の要件、会社が求める確認資料を個別に確認する必要があります。国内の介護保険サービスとは別に、現地での支援体制や渡航日程を整理します。

Q25.要支援認定でも介護休業を利用できますか

介護保険の要介護度と、育児・介護休業法(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1上の要介護状態は同じ判定ではありません。認定名だけで判断せず、常時介護を必要とする状態の判断基準に照らして会社へ相談します。

Q26.介護休業中に会社から連絡が来ます

休業中の連絡方法、頻度、緊急時の連絡先を休業前に決めます。通常業務を継続して担う状態になっている場合は、人事担当者へ相談します。

Q27.復職後すぐに通常勤務へ戻す必要がありますか

復職後も短時間勤務等、所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※5の制限、時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※6の制限、深夜業の制限を利用できる場合があります。制度ごとの要件と申出期間を確認します。

Q28.家族が介護サービスを使いたがりません

拒否の理由を確認します。知らない人への不安、費用、過去の経験、認知症、サービス内容への誤解などによって対応が変わります。本人が受け入れやすい支援から試し、ケアマネジャーや地域包括支援センターと説明方法を検討します。

Q29.介護と育児が同時にあります

育児と介護の制度は別ですが、勤務調整や家族内分担は一体として考える必要があります。会社へ両方の状況を伝え、利用できる制度の組み合わせを確認します。家族だけで調整できない部分は地域の相談窓口へつなぎます。

Q30.自営業やフリーランスにも介護休業はありますか

育児・介護休業法上の労働者向け制度や雇用保険の介護休業給付は、雇用される労働者と同じ形では利用できません。国民健康保険、年金、事業継続、地域の介護サービスを含め、自治体や専門窓口へ相談します。

Q31.介護のために転居すべきでしょうか

転居は仕事、住まい、本人の人間関係、医療、介護保険の担当自治体に大きく影響します。まず現住所で利用できる支援と遠距離介護の方法を確認し、転居後の支援体制と費用を比較します。

Q32.介護保険外サービスは使ってもよいですか

介護保険サービスで不足する家事、見守り、外出同行などを補えることがあります。料金、契約、キャンセル、事故時の対応、介護保険サービスとの役割分担を確認します。

Q33.ケアマネジャーに勤務先の制度を相談できますか

会社制度の最終確認先は勤務先ですが、家族の勤務条件を踏まえたケアプランや連絡体制はケアマネジャーと相談できます。勤務表や制度名そのものより、介護できない時間と緊急時の制約を具体的に伝えます。

Q34.介護休暇を取得した日を欠勤扱いにされました

介護休暇中の賃金を有給にする法律上の義務はありませんが、制度の申出を単なる無断欠勤として扱うこととは別です。就業規則、申出記録、給与明細を確認し、会社や労働局の相談窓口へ相談します。

Q35.会社が制度を案内してくれません

介護に直面した旨を申し出た労働者への個別周知・意向確認など、事業主に求められる措置があります。申出日時と回答を記録し、人事担当者、社内相談窓口、都道府県労働局へ相談します。

Q36.介護休業給付だけで生活できますか

給付は休業前の賃金全額を補うものではありません。支給時期にも注意し、貯蓄、会社からの賃金、賞与、税・社会保険料、介護費用を含めて資金計画を作ります。

Q37.介護休業中に本人が亡くなった場合はどうなりますか

介護休業の終了や給付の扱いについて、速やかに会社へ連絡します。葬儀等に利用できる社内休暇があるか確認し、無理にすぐ通常勤務へ戻さず心身の状態も相談します。

Q38.家族の介護を同僚へどこまで伝えるべきですか

同僚全員へ病名や家庭事情を詳しく説明する必要はありません。業務上必要な引継ぎ、勤務時間、緊急連絡の可能性など、必要な範囲を上司や人事と決めます。

Q39.複数の家族を介護しています

対象家族ごとに利用できる日数等が扱われる制度があります。誰についてどの制度を何日利用したかを分けて記録し、会社へ確認します。地域の相談窓口も本人ごとに担当が異なる場合があります。

Q40.介護離職した後でも相談できますか

再就職、雇用保険、職業訓練、生活費、介護サービスなど複数の相談が必要になります。ハローワーク、市区町村、地域包括支援センターへ早めに相談し、介護を一人で抱えた状態が固定しないよう支援を組み立てます。

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36.両立支援チェックリスト

本人の生活

  • 食事、排せつ、入浴、移動、服薬に危険がない
  • 日中独居の時間と見守り方法が明確
  • 緊急連絡先が本人の近くに掲示されている
  • 主治医、薬局、ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン(本人の希望と生活上の課題を踏まえ、利用する介護サービスと支援目標をまとめた計画です)※4作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※3の連絡先を家族が把握している
  • 本人の希望と避けたいことを確認している

介護サービス

  • 要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※5の申請または更新状況を確認した
  • ケアプランに家族の勤務時間が反映されている
  • サービスが休みの日の対応を決めた
  • 緊急ショートステイ等の相談先を確認した
  • 状態変化時に誰へ連絡するか決めた

会社

  • 就業規則と介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1規程を確認した
  • 人事担当者と上司の相談先を確認した
  • 介護休業、介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2、短時間勤務等を比較した
  • 申出期限と必要書類を確認した
  • 休業中と復職後の賃金・給付・社会保険料を確認した
  • 復職前面談の日程を決めた

家族

  • 連絡調整、受診、金銭、日常支援の担当を分けた
  • 一人の家族だけに情報が集中していない
  • 遠方の家族も担える役割を決めた
  • 月に一度は分担とサービスを見直す
  • 介護者自身の受診、睡眠、休息を確保している
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37.公式情報を確認するときの注意

介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1制度、給付、対象労働者、申出手続は法改正や会社規程の改定で変わることがあります。自治体の窓口名称、担当区域、受付時間、独自事業も更新されます。本ページで全体像を理解した後、実際の申請時には厚生労働省、ハローワーク、勤務先、本人の居住地を担当する自治体の最新案内を確認してください。

制度内容確認日:2026年8月1日

文責:きてケアプラン(本人の希望と生活上の課題を踏まえ、利用する介護サービスと支援目標をまとめた計画です)※2センター

内容確認:公的機関の公開資料に基づく一般的な案内。個別の取得可否、給付額、労務判断、介護保険の支給決定を保証するものではありません。

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38.管理職・同僚が知っておきたい対応

介護に直面した労働者は、本人の病名や家族関係を職場で話すことへの抵抗、昇進や契約更新への不安、周囲へ迷惑をかける罪悪感などから、相談を先延ばしにすることがあります。管理職は、突然の欠勤だけを問題として捉えず、仕事を続けるために利用できる制度と相談先へつなぐ役割を担います。

38-1.最初の面談で確認すること

最初から介護の全体像を詳しく説明させる必要はありません。勤務に影響する事実、直近で必要な休み、連絡方法、本人が希望する働き方を確認します。介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1の取得だけを勧めるのではなく、介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2、短時間勤務等、所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※3の制限、時間外労働(原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です)※4の制限、深夜業(午後10時から午前5時までの時間帯に行う労働です)※5の制限などを案内し、人事担当者へつなぎます。

「家族なのだから介護を優先すべき」「施設へ入れれば解決する」「いつまでに元の働き方へ戻れるか」といった価値判断や確約を求める質問は避けます。介護の見通しは変化するため、短い周期で勤務方法を見直せるようにします。

38-2.チームでの業務調整

特定の同僚だけに代替業務を集中させると、職場全体の不満につながります。担当業務を、本人しかできない判断、他の人へ引き継げる定型業務、期限を調整できる業務に分けます。共有フォルダー、連絡先、進行状況、代理承認者を整理し、介護以外の病気や育児にも応用できる業務継続の仕組みにします。

勤務上の配慮をチームへ説明するときは、本人の同意を得た範囲で「家庭の事情により一定期間、勤務時間を調整する」など必要な情報に限ります。家族の病名、要介護度、家庭内の対立などを本人の承諾なく広げません。

38-3.定期面談

介護開始直後、退院時、認定結果が出た時、サービス導入時、状態悪化時には勤務上の必要が変わります。月一回など期限を決めて確認し、制度の終了直前に慌てないようにします。面談記録には、本人の希望、合意した勤務方法、利用期間、次回確認日を簡潔に残します。

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39.制度の利用を断られた、嫌がらせを受けたと感じたとき

会社から「前例がない」「正社員しか使えない」「忙しい時期だから無理」と言われても、それだけで法定制度を利用できないと決まるものではありません。まず、申し出た制度名、対象家族、希望期間、会社からの回答、回答者、日時を記録します。就業規則と会社の申出様式を確認し、口頭だけでなくメール等でも相談内容を残します。

39-1.社内での確認順序

  1. 上司へ制度を利用したい旨を明確に伝える
  2. 人事・労務担当者へ法定制度と社内制度を確認する
  3. 申出書や必要書類を提出し、受付日を記録する
  4. 回答理由と根拠となる規程を確認する
  5. 社内相談窓口、コンプライアンス窓口、労働組合があれば相談する

上司が制度を詳しく知らない場合もあります。最初の回答だけで退職を決めず、人事担当者へ確認します。会社が求める資料が用意できないときは、何を確認するための資料かを尋ね、代替資料がないか相談します。

39-2.外部の相談先

育児・介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※2(仕事と育児・家族介護を両立するための休業や勤務上の措置を定めた法律です)※1に関する制度利用、不利益取扱い(制度の申出や取得を理由に、解雇、降格、減給など不利な扱いをすることです)※4、介護休業等に関するハラスメントは、勤務先を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談先です。横浜市・川崎市内の勤務先は神奈川労働局、大田区・品川区内の勤務先は東京労働局が主な窓口になります。勤務先所在地が別の都道府県なら、その所在地を管轄する労働局を確認します。

介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※3の支給要件や申請は、事業所を管轄するハローワークが相談先です。労働基準法上の労働時間や賃金の問題は労働基準監督署、一般的な労働相談は総合労働相談コーナーなど、相談内容によって窓口が異なります。

緊急に退職届へ署名するよう求められた場合は、その場で判断せず、書類の内容を確認する時間を求めます。すでに退職手続が進んでいる場合も、早めに公的窓口や法律相談へ相談します。

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40.介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1給付の資金計画

介護休業給付(雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に支給される給付です)※2は、原則として休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の67%相当額を基礎に計算されます。ただし、休業中に会社から賃金が支払われる場合は、支給額が調整されたり、賃金額によって支給されなかったりすることがあります。上限額・下限額は変更されるため、実際の額はハローワークの最新案内で確認します。

40-1.支給までの時間を考える

給付は毎月の給与と同じ日に必ず振り込まれるものではありません。会社が申請を取りまとめる場合、申請時期と振込見込みを確認します。休業開始から最初の給付までの生活費、介護用品、交通費、税・社会保険料の支払いをあらかじめ整理します。

40-2.休業中に賃金がある場合

会社の有給制度、休業手当、短時間の就労などにより賃金が支払われる場合は、給付との関係を確認します。「給付が67%、会社の賃金も満額」と単純に合算できるとは限りません。勤務実績と賃金明細を保管し、申請書の内容と一致させます。

40-3.社会保険料と税

介護休業には、育児休業と同じ社会保険料免除の仕組みはありません。健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分をどのように会社へ支払うか確認します。住民税は前年所得を基に課税されるため、休業中も支払いが必要になることがあります。賞与、年末調整、扶養、医療費控除への影響は、会社や税務署等へ個別に確認します。

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41.事例で考える制度の組み合わせ

次の事例は制度の使い方を考えるための一般例であり、個別の取得可否や介護サービスの支給を示すものではありません。本人の状態、勤務先規程、家族構成、地域のサービスによって調整します。

41-1.横浜市に住む母が転倒し、退院する場合

会社員の子が遠方に住み、母が一人暮らしをしているケースです。入院直後は年次有給休暇や介護休暇(通院の付き添いや介護サービスの手続などに使える休暇です)※2で病院の説明を聞き、病院の退院支援担当者から本人住所地の地域ケアプラザへつないでもらいます。要介護認定(介護保険サービスが必要な程度を市区町村が判定する仕組みです)※6を申請し、退院日が見えてきた段階で介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる休業制度です)※1を利用して、ケアマネジャー(介護を必要とする方の相談を受け、ケアプラン作成やサービス事業者との連絡調整を行う専門職です)※5選定、福祉用具、訪問介護、通所介護、配食、緊急連絡を整えます。

復職後は、毎週の通院同行に時間単位の介護休暇、定例面談にフレックスタイム、突発対応に備えて所定外労働(会社が定めた通常の勤務時間を超える労働です)※3の制限を検討します。母が一人で過ごす時間帯をケアマネジャーへ伝え、サービスを家族の出勤時間に合わせて調整します。

41-2.川崎市に住む父に認知症の症状がある場合

父から同じ内容の電話が頻回にあり、仕事が中断されるケースです。地域包括支援センター(高齢者の介護、福祉、医療、権利擁護などをまとめて相談できる地域の公的な窓口です)※4へ相談し、医療受診、要介護認定、見守り、通所サービスを検討します。会社には病名を詳しく説明することより、日中の緊急連絡が増えていること、受診同行の日、当面必要な勤務調整を伝えます。

介護休業を一度にすべて使わず、初期の受診・申請、サービス導入、状態変化の時期に分ける案を検討します。家族だけで電話を受け続けず、地域支援者と緊急・通常の連絡基準を共有します。

41-3.大田区で同居介護をしながら働く場合

朝夕の介助が必要で、通常の始業時刻に間に合わないケースです。大田区の担当する地域包括支援センターへ介護サービスを相談するとともに、仕事と介護の両立支援コーディネート事業の最新案内を確認します。会社では時差出勤、短時間勤務、テレワーク、所定外労働の制限を比較します。

朝の訪問介護を導入できるか、通所サービスの送迎時間を調整できるか、家族が不在になる時間を安全に過ごせるかをケアマネジャーと確認します。勤務制度だけで介護時間を確保するのではなく、家族が担わなくてもよい介助をサービスへ移します。

41-4.品川区で父を介護していた家族が再就職を考える場合

離職後に介護サービスが整い、再就職を考えるケースです。本人の在宅生活は担当の在宅介護支援センターやケアマネジャーへ相談し、働く家族の就業相談は、しながわお仕事相談室やハローワークなど目的に合う窓口を利用します。

面接時には、必要以上に家族の医療情報を話すのではなく、勤務できる曜日・時間、緊急時の対応、今後利用する介護サービスを整理します。介護者の交流や学びが必要な場合は、品川区の家族介護者向け事業の最新開催情報を確認します。

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42.公式資料・相談窓口

本ページは、制度の全体像をつかむための案内です。申出日、対象要件、会社規程、給付額、自治体事業は変わることがあります。実際に利用するときは、次の公式ページから最新情報を確認してください。

電話番号、受付時間、担当区域は変更されることがあるため、リンク先の最新表示を確認します。労働制度は勤務先所在地、介護保険・高齢者支援は原則として介護を受ける本人の住所地を基準に相談先を選びます。